「これ」をしたら、税務署に狙われます!

 具体的には、子や孫に生命保険の契約書にサインだけさせて、実際の保険料の支払いは親や祖父母が保険会社へ直接、子や孫の代わりに行っているケースです。

 この対策は(1)祖父母(父母)から孫(子)にきちんと生前贈与ができており、(2)孫(子)が自分の意思で保険料を払うことで成立します。

 一方で、(1)祖父母(父母)と孫(子)の間で生前贈与ができていたように見せかけ、(2)祖父母(父母)が孫(子)の保険料を負担していたなら、それは大問題です。生前贈与はできていなかったものとして、祖父が孫の代わりに払っていた生命保険も、祖父が死亡したときの相続税の対象になります(これを名義保険といいます)。

 名義保険が発生するパターンは、だいたい決まっています。

(1) 保険会社の営業職員立ち会いのもと、親が子に生命保険の契約書にサインをさせる(子はわけがわからないままサインする)※契約者:子 被保険者:親 受取人:子

(2) 親が子名義の通帳を預かり、毎年、親の通帳から子名義の通帳にお金を振り込む(子名義の通帳は親が管理)

(3)毎年、子名義の通帳から保険会社へ保険料を支払う

 この流れで保険料を払っていた場合、満期保険金を子が受け取れば贈与税の対象になり、死亡保険金を受け取れば相続税の対象になります。仮に10年間毎年30万円の保険料を払っており、満期時に300万円の保険金が子どもに支給されたなら、300万円の贈与があったものとして、19万円の贈与税が発生します。

 生前贈与をするなら、通帳・印鑑・キャッシュカードは贈与する相手方に自分できちんと管理をさせましょう。調査官から疑いの目を向けられないようにするためには、実際に使っている記録を残しておくことが最も有力です。贈与でもらったお金は貯めるのではなく、積極的に使っていくことをオススメします。