マネジャーの能力は、
組織パフォーマンス力を維持向上できるかで決まる

「法治」マネジメントの視点を持っている企業は、この業務手順を明確にし、日々、これを「カイゼン」し、品質やコスト、納期をより良いものにしていくことに取り組み、事業のパフォーマンスが人の能力に左右されずに、日々の「カイゼン」で業務精度が高まるような工夫をしています。

 トヨタにおいては、先達の努力により、言語化されて受け継がれるトヨタにおける「ものづくり」の思想に基づいて、社員全員が、日々、自身の業務の「カイゼン」を続ける文化が根付いています。

 マネジャーの本当の能力は、そのマネジャーがいなくなった後も、そのパフォーマンスが維持される状態を作れるかに尽きると、よく言われます。

 これはまさに、最適なパフォーマンスを出せる状態を、使われる帳票や会議の仕方も含めた「業務フロー」で表現される「業務プロセス」の手順を作ることと、そこで働く人と組織の動きのレベルを上げることがマネジャーの仕事であることを意味しています。

 そこで行われる「カイゼン」は、「ルールを変えよう」「やり方を変えたからね」、で「あとはやっておいてね」で済むものではありません。

 決めた通りに行われているか、そして、その新しい手順が適切なのかをしっかりと見極めて、上長であるマネジャーが「躾(しつけ)」と手順の修正を施して、初めて「業務プロセス」として定着するのです。