買う前より買った後のほうが
価値を感じやすい
「人はものを買う前より買った後のほうが、そのものが上がる可能性が高いと信じる」というのもあります。
人には発言や行動に一貫性を持とうとする習性(一貫性の法則)があります。
株の場合でも、実際にその株を買う前よりも、株を買った後のほうが「その株が上がる」と信じる傾向が強くなります。
なぜなら、「その株が上がる」と思わなければ、自分がその株を買った事実と矛盾してしまうからです。
人は自分の行動を正当化する方向に思考のバイアスが傾くのです。
「希少なものは、それだけで価値があるように感じる」というのは、たとえば次のようにまったく同じ値段の同じ商品があるとして、どちらのほうを買いたいと思うか。
「在庫に余裕あり、年中無休で販売中」
「数量限定残り3個、販売終了まであと5分」
同じ商品だったとしても、多くの人は希少に見える後者を選ぶと思います。
これは家電量販店、ネット通販、情報商材などのセールストークにも、よく使われる手法です。
上野の商店街「アメ横」を歩くと1年中閉店セールをやっているお店もあったりしますが、これも「期間限定」とすることで「いま買わなかったら次に買うチャンスはない」と思わせて購入を促進しているのです。
投資の世界でも、ネット上で「いま買わなかったらもう同じ値段で買えない」と煽っている人も多くいますが、そういったポジショントークに惑わされることなく、冷静に判断するようにしましょう。