「これ」をされたら、泣き寝入りするしかありません、、、
(3)破棄
自分に不利な内容の遺言書を見つけた場合、その遺言書を破棄してしまうケースもよくあります。本来、遺言書の改竄や破棄が発覚した場合、その人は、相続する権利を剥奪されるという非常に重い処分を受けます。さらに刑法上も、私文書偽造罪私用文書等毀棄罪などの罪に問われます。
しかし、遺言書を破棄された場合には、【もともと遺言書が存在していたのに破棄された】ということを立証しなければならず、これを立証するのは極めて困難です。法律の原則は疑わしきは罰せず。証拠も無く「破棄されたと思う」というレベルでは、結局泣き寝入りするしかないことになります。
こういった事態を防ぐためにも、自筆証書遺言の保管には細心の注意を払わなければならないのです。
(4)貸金庫
遺言書を銀行の貸金庫などに保管すると、いざ相続が発生したときに、貸金庫から遺言書を取り出せなくなることがあります。相続人が貸金庫を開けるためには、相続人全員の同意書か、遺言書が必要になります。しかし、肝心の遺言書が貸金庫の中にあれば、開けることができません。
銀行としても、特定の相続人が単独で貸金庫を開けることを許すと、他の相続人から「貸金庫の中身をネコババされた! 何で勝手に貸金庫を開けたんだ!」と訴えられるリスクがあります。
そのため、相続人全員の同意がないと貸金庫を開けられないようにしています。なお、遺言書で遺言執行者という人を選任し、執行者に「貸金庫を開ける権限も与える」と指定しておけば、遺言執行者が単独で貸金庫を開けることができます(遺言執行者は相続人を指定することも可能です)。