有本恵子さんからの手紙は
慄然とする内容だった

 電話の主がいうには、「中国人のおじいさんと仲良くなった。彼が仕事を紹介してくれる」などと書いていたというのです。確かに、文春の記事の内容とあまりに重なります。

 何度か連絡先などを尋ねましたが、名前は名乗らず、後日その女性から有本さんから受け取ったという手紙が封書で送られてきました。自分の名前が書いてあると思われる部分は切り取ってあり、どうしても判読できないように細工されていましたが、内容は慄然とするものでした。

「友達にある男の人(年は58歳、年より老けて見える)が日本語で話しかけてきたそうです。その人は中国の人だけど、今はアメリカ国籍で、オックスフォード大学でアジアの歴史について講義していたそうです。そして今、ロンドンで世界戦争問題研究会というのが開かれていて、それに参加しているそうです。

 その日は友達に、自分の滞在しているホテルのルームナンバーを言って、また今度chinese restaurantにでも行こうといって去っていったそうです。 私もその話を聞いて、何か面白い話でもきけるのではないかと思って、友達と一緒にある日ホテルまで会いにいったのですが、そのとき驚くような写真ばかり見せてくれました。その人は実は、あのマッカーサーの下で副司令官として働いていたこともあり、そのときの写真とか、外交官をしていたときにいろいろな国の大統領などにあっているところとか……」

「その後、映画をみにいったのです。ハンガリーの映画で暗い感じの映画で、時々ベッドシーンなどが出てくるのです。私の友達がそのおじさんの隣に座ったのですが、そのおじさん、なんと友達の手を握り、スケベなシーンになると興奮して友達の手を自分のアソコにもって行こうとしたのです。 友達はタバコをすったりしておじさんのすることを妨害していたのです」

「その後、私はトイレにゆきましたが、友人もやってきて、あのおっさんいやらしいー。私がいなくなったら、肩を抱いてきたそうです。そして手を握ったことを私にいわないでといったそうです」

「映画のあと、ピカデリーまで出てチャイニーズレストランにいったのですが、この人、あんまり自分のしたことを話してくれないのです。この人の親しい人といえば、一般に評判の悪い人ばかりなので、きっとこの人、今まで悪いことばかりしてきたのだと思います」