巨大な潜在市場を
掘り起こすための7つの視点
idealabの創業者でCEOでもあるビル・グロスは、私たちの300ドルハウスのブログに寄稿し、彼のチームが取り組んできた貧困者向けの1000ドルの家「ワールドハウス」で直面した設計上の課題について、次のように述べている。
「質の高い、入手可能な住宅が約15億人分も不足していることは、新しい革新的なソリューションを必要とする問題として常に問題となってきた。今後10年間で1億人に住宅を供給するために、私たちは広い視野で考え、破壊的なテクノロジーと金融メカニズムを展開していく必要がある」
企業がこうした課題に「目を大きく見開いて」、巨大だが顕在化していない市場に参入するのは大いに喜ばしいことである。この問題を解決するには規模の拡大が必要なので、その方法を熟知している企業が乗り出すことが重要だと、私たちは一貫して主張してきた。
もちろん、協力も欠かせない。そこで、300ドルハウスと関連するコミュニティを発展させるために、私たちがこれまでに見聞したことをいくつか共有したい。この分野に参入する企業に対して、私たちのアドバイスは次の通りである。
サービスを考える
これは、単なる住宅建築ではない。問うべきは、電気、きれいな水、公衆衛生、公共医療サービス、家族計画、教育、交通、小規模企業などのサービスが含まれたエコシステムを利用でき、安心して暮らせる機会を貧困者に提供する、300ドルハウスの村を設計できるか、ということだ。ロバート・フリーリングの「ホール・ビレッジ」をぜひ参照してほしい。
グローバルで考える
これは、単なるインドのプロジェクトでない。世界資源研究所によると、所得ピラミッドの底辺の市場規模は約5兆ドルにのぼる。貧困層がより良い暮らしをすることに関心を持つコミュニティは世界中にあり、フィリピンやモザンビークなど世界各地から、私たちに問合わせが来る。
持続可能性を考える
これは、つくったら終わりという課題ではない。この言葉の意味を十分に理解してほしい。可能な限り地球にやさしく再生可能な材料を使うことはもちろん、長期的なプロジェクトの持続可能性について考えてみよう。
そのコミュニティには、自分たちの家を運営し維持するためのスキル、ノウハウ、手段が備わっていて、1年後、3年後、10年後もサービスが提供されるだろうか。住人たちはどのようにその対価を払うのだろうか。
手頃な価格を考える
これは、中間層向けのものではない。300ドルハウスのネーミングの本当の目的は、企業に手頃な価格を徹底的に追求してもらうことにある。手頃な価格でなければ、持続可能ではない。