先に結論を言ってしまえば、それは人による――ということになる。元も子もない結論だが、どちらの面接でも、失われてしまうものが存在する。
就活生の側は自分にとってどちらの様式のほうが損失が少ないかを天秤にかければよいし、採用側も、普段と比べて何が判断できなくなるのかを知ることで、従来通りの採用基準から大きくズレることなく面接を行うことができるはずだ。
そこで、ここではオンライン面接と対面でのマスク面接、それぞれの様式で「何が失われてしまうのか」を(まずは就活生の視点に立ちながら)解説していきたい。
オンライン面接で失われるもの
「オーラがある人」は要注意?
オンライン面接で失われるものは、まずオーラである。
就活生でも、面接の部屋に入ってきた瞬間に、オーラを発している人というのはいる。よく「面接は最初の3秒の印象で合否が決まる」などと言われることも多いが、最初の3秒でできるのは入室して挨拶をするくらいだ。つまり、その言葉が意味するものは“発した言葉以外が大きな判断要素になる”ということである。
先日、指導していた、とある体育会系クラブに所属する身長185cmの男子大学生が「対面のグループ面接で就活生が5人同時に入室しても、入った瞬間に、なんとなく自分に注目が集まっているのがわかる」と言っていた。
身長、人としての色気……大人になっても会議室でしゃべりだした瞬間、内容にかかわらず人を惹きつけるタイプの人がいるように、まずは内容より前に“オーラで注目を集めるタイプの人”というのは確かにいる。
しかし、オンラインでは身長はもちろん、その他のオーラを伝えていた要素の多くが遮断される。光の当て方やカメラの質など技術的な面でオーラが減少してしまうことすらある。雰囲気で“場を持っていく”タイプの人には不利な方式だ。