「お金持ちになるにはどうしたらいいのか」という疑問にこの連載ではいろんな角度から答えを示していきます。お金持ちなら誰でも知っている秘密を明かしていきます。
その疑問の答えにたどり着くには「お金」「経済」「投資」「複利」、そして「価値」について知っておく必要があります。少し難しい話も出てきますが、今は完全にわからなくても大丈夫です。
資本主義の仕組みについても、詳しく解説していきます。なぜなら、資本主義の世界では、資本主義をよく知っている人が勝つに決まっているからです。
今後の答えのない時代において、どのように考えながら生きていけばいいのか、ということもお話ししていきたいと思います。さあ、始めましょう!
(もっと詳しく知りたい人は、3月9日発売の『先生、お金持ちになるにはどうしたらいいですか?』(ダイヤモンド社)を読んでください)

コロナ リモート
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世界は変わっても変わらないもの

どれだけ世界が変わっても、変わらないものがあるのも事実です。

それは、「付加価値の提供」をできた人が成功するという真実です。

「付加価値」とは、「人のためになる」、「人の役に立つ」ということです。これはどのビジネスにも当てはまることですが、人のためにならないことをどれだけ一生懸命にやったとしても、利益を生み出すことはできません。利益を生めないものは長続きしませんし、そもそも最低限の生活を守ることもできません。

もちろん、人のためにならないことでお金を儲けることはできます。会社を創り、従業員を雇い、低賃金でこき使えば、短期的に利益を上げることは恐らく可能です。完全なブラック企業ですね。でも、そんな会社は従業員のやる気がどんどん下がっていくので、確実に滅びます。

長期的に利益を生み出すためには、従業員に「この会社で働けてよかった」と満足してもらう必要がありますし、そもそもその会社が提供する製品・サービスが、世の中のためになる必要があります。

世の中の大勢の人たちが欲しがる製品・サービスだから、皆、お金を支払ってくれるのです。本当に役立つものだったら、たとえ原価1万円のものを10万円で販売したとしても、買ってもらえます。

「組織の時代」から「個人の時代」へ

2007年にアップルは「iPhone」を米国で発売しました。これによって時代は大きく変わったと思います。2007年以降、世界は「組織の時代」から「個人の時代」へと転換し始めたのです。

SNSを通じて非常に大勢の人たちが、気軽に情報を発信できるようになりました。各種メディアで取り上げられていたニュースに対する感想、意見だけでなく、今、自分が居る場所で起きているリアルタイム情報なども積極的に発信できるようになったのです。

個人的な情報発信がビジネスにつながっている人さえいます。ユーチューバーなどはまさにその最たるものと言っても良いでしょう。アイデアひとつで莫大な収益を上げられる時代になったのです。

数年後、社会に出ていく皆さんに、生き抜く上で必要になる要素は、ユニークな発想力や、自ら能動的に行動する主体性、さらにそうした個々人をとりまとめていくリーダーシップです。

これを大変と思うか、チャンスと思うかは人それぞれですが、私はなかなか痛快な時代が来たのではないかと考えています。

参考記事
お金持ちになるのに
必要なのは、どんな力か?

「半沢直樹」の時代は
もう終わっている

奥野一成(おくの・かずしげ)
農林中金バリューインベストメンツ株式会社 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)
京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士(Master in Finance)修了。1992年日本長期信用銀行入行。長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫入庫。2007年より「長期厳選投資ファンド」の運用を始める。2014年から現職。日本における長期厳選投資のパイオニアであり、バフェット流の投資を行う数少ないファンドマネージャー。機関投資家向け投資において実績を積んだその運用哲学と手法をもとに個人向けにも「おおぶね」ファンドシリーズを展開している。著書に『教養としての投資』『先生、お金持ちになるにはどうしたらいいですか?』(ダイヤモンド社)など。