生鮮食品売り場の設置は
「業態の垣根」が低くなっている

 生鮮食品売り場の設置は「時代の要請」とはいえ、ますます「業態の垣根」が低くなるばかりだ。

 これまでは食品スーパーは食品スーパー同士の競争だったし、コンビニもコンビニ同士の競争というケースが多かった。しかし、ここにドラッグストアが入ることで「異種格闘技戦」という様相を呈しているのだ。

「でも、食品スーパーの方が生鮮食品の種類も豊富だし…」というご指摘を受けそうだが、ドラッグストアには「生活必需品をトータルで安く買える」というメリットもある。

 例えば、食品スーパーの場合、生鮮食品の種類が豊富で、用途別に売られていることが多い。一方、ドラッグストアの場合、やはり商品の種類は限られており選択肢が少ないことは否めない。

「やっぱり多くの種類の中から選びたい」という主婦は食品スーパーに足を運ぶだろう。

 だが、食品に加え、日用品やちょっとした一般用医薬品などもついでに買え、トータルで安い。しかもドラッグストアの場合、レジが混雑することも少ない。「スピード感重視の方はドラッグストアに…」ということにもなるかもしれない。どちらを選ぶかはあなた次第だが…。

 今後はドラッグストアが「総菜を充実させる」などということになるかもしれない…。

どこかの市場が
ドラッグストア市場に食われる

 日本チェーンドラッグストア協会の池野隆光会長は、これからのドラッグストア業界について「今まで以上に食品スーパーの食料品やホームセンター生活関連品を取り込むようになる。10兆円(19年度約7兆6859億円、対前年度比5.7%増)はおろか20兆円も現実味を帯びてくる」と発言、市場の広がりを大胆に予測している。

 池野会長の発言が現実になれば、人口減少の中、消費市場自体は広がらないのだから、結局、どこかの市場がドラッグストア市場に食われることになる。

 それは果たして、池野会長の言うように食品スーパーなのか、ホームセンターなのか、はたまたコンビニなのか。ドラッグストア業界内で起きている生鮮食品をめぐる競争が、近いうちに、ほかの業態に飛び火するのは確かだ。