組織のヒエラルキーというものを絶対視し過ぎると、そういう発想でプロジェクトを柔軟に動かしていくことができなくなる。仮に、課長である私と部長である上司との関係が逆転したらどうしよう……などということは、端から考えてはいけない。

 逆に、部下だと思って油断したり、不遜な態度を取ったりするのも愚かしい行為だ。とにかく、部長であろうと社長であろうと、プロジェクト達成に向けた自分の駒だと考える。客先に社長を引っ張り出したほうがプロジェクトがスムーズに進むと思ったら、土下座してでも社長を連れて行くべきなのである。

 チームメンバーをどう動かすかというときに重要なのは、メンバー一人ひとりの癖や性格、抱えている利害関係と社内的立場、あるいは人間関係、そういった情報なるべく多く事前にインプットしておくことだ。

 相手のことをよく知っておかないと、うまくハンドリングはできない。それは相手が部下でも上司でも、本質的には同じなのである。

(次回は11月1日更新予定です。)


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