私が常に意識している言葉ですが、「確固たる商品のブランドが出来上がっても安心してはいけない。なぜなら、顧客の好みは、賞味期限がついていて、陳腐化しやすいものであるから」というものがあります。

 これは「20世紀の三大広告人」のひとりに選ばれた、元コカ・コーラ社の最高責任者であるセルジオ・ジーマのブランド構築の定義の中の言葉です。

 ブランドが成功し、競合の先を行くのであれば、それがだめになる前に、修正を加えて、継続的に伝えるメッセージやイメージを顧客の要求やニーズに適したものに変えていく必要性があるということです。

 あなたがせっかく確固たる強みを構築しても、常に競合が追いかけてきますからその時代によって、自分の強みを新しい形で確立していく努力をしなければ、ある日気が付いたときには、競合に追い抜かれている可能性があるからです。

③10パーセントを弱みに割り当てる

 苦手な分野のない人、自分の苦手な分野に全く取り組まないで済む人は1人もいません。

 大事なことは、自分自身は弱点を最小限に抑えることであり、その部分を得意な分野に変えることではないということを知っておく必要があります。 そして、もう一つ重要なのは10%の時間の中で、弱みを強みとするパートナー又は、スタッフを見つけるということです。

「私の弱みを強みとする誰かを見つけよう。これで、1+1が11になる」

 これは、自己啓発分野でアメリカを代表すると言われるコーチの一人であるマーク・ビクター・ハンセンの言葉です。

 たいていの場合弱みを強みに変えようとする場合「自分」で行おうとするため、達成することが難しく不可能に思えてしまいますが、すこし視点を広げて考えれば「自分の弱みを強みに持つ自分ではない人」と連携することにより、弱みを強みに変えることは可能になるということです。

 今回は、一時的に収入は減っても、自分自身の「強み」を強化することによって口コミが広がり、ビジネスを成功させた「てるりん」の愛称で市民に愛される一級建築士、市成照一さんをご紹介させて頂きます。

明石市で活動しながら強みづくり

 兵庫県明石市でWING建築設計事務所を営む一級建築士の市成照一さんは「てるりんの住まいる相談会」で明石・神戸はもちろん大阪方面までその名を知られています。住宅の新築・リフォームの設計・工事監理、また住宅の調査診断を行い新築・中古物件の購入判定を行うサービスを商品として掲げています。さらに欠陥住宅やリフォーム詐欺の悩みを抱える消費者の相談に乗り、リフォーム業者との調整を行うといった依頼にも応じています。建築士という専門性を生かして消費者の安全や財産を守るために「NPO法人・欠陥住宅を撲滅する会」も立ち上げていますが、だからといって市成さんが市民運動家というわけではありません。一級建築士という専門性の中から自分の個性、他と異なる自分だけの強みを追求した結果、このような活動に至っているのです。