「2 on 2」の意義

 実際にやってみると、やる前は「私はこう思っていた」のに、終わった後は「見方が変わりました」と変化を感じる人が続出しています。そこがとても面白い。

 互いに困っていることを共通の場で話し合う中で、自然と自分の考え方や捉え方が変わっていくのです。これを体験すると、なんとも不思議な感覚になります。

 アインシュタインが述べたとされる言葉に、「いかなる問題も、それをつくり出した同じ意識によって解決できない」がありますが、それは組織の人間関係にも当てはまります。上司と部下も互いに違う地点に行かないと風景は変わらない。それを実現できるのが「2 on 2」の意義ではないでしょうか。

 組織のモヤモヤについて話そうとすると、つい解決策やコンテンツの話に終始してしまいがちです。その挙句、「困ったね」で終わってしまうことが多い。

 そんなとき、2 on 2では、「そもそも、そこに悩んでいるのはどういうことなんだろう?」と、当事者以外の人が入ることで、少し違う角度から捉え直すことを意図的に繰り返していきます。

 これは、何が問題なのかの輪郭を明らかにしていくアプローチ。このアプローチが問題に向き合う際のプロセスとして、すごく重要なのです。

 原因は一つではない。

 複雑だということがわかるだけでも、見える風景が全然違ってきます。

 そうすると、次から仕事への向き合い方が変わってきます。

 違う座標から物事を捉えられ、無駄な対立が減っていきます。

 自分の中での物事の捉え方が変わるのが、すごく大切なポイントです。