――母はレムデシビルを投与しても、炎症反応の指標であるCRPが依然高値でした。重症化懸念とレムデシビルにすがる思いが交錯しました。途中からステロイドと抗生剤の内服を併用したのも、リスクよりも安心感が大きかったです。

B教授 CRPは必ずしもコロナ感染症の重症度や治療指標になるものではありません。しかし、お母様はレムデシビル投与3日目の血液検査でCRPが3.6に悪化していました。そのときが分水嶺、踏ん張りどころでしたので、レムデシビルを10日間投与すべく、厚労省に申請しました。まさに高齢の方は突然重症化することも多く、体内の酸素濃度が保てない場合があります。そのため同時にステロイドと抗生剤を投与しました。ステロイドはメンタル面で不穏となるリスクもありましたが、症状を抑え少しでも重症化を回避するために使用しました。

 少し難しい話になりますが、コロナ感染症の炎症の程度を測るにはさまざまな指標があります。その重症度は一般的に指標とされているCRPだけでは推し測れないものもあります。もちろん、低い数値の方が良いですが、逆に低いからといって安心できないこともあります。

 突然酸素濃度が下がる場合もあります。酸素濃度が下がっている場合にはステロイドを使用する場合が多いですが、ステロイドには副作用、特に糖尿病の患者さんは高血糖を引き起こすことが多く、血糖コントロールも問題となります。

 ステロイドの使用に関しても、いまだ多くの報告はなく、一定期間使用した場合に重症化のリスクを減らす報告があるため、使用されているかと思います。もともと使用されている患者さんもおられますので、その使用は担当医の考え方で変わることもあるのかと思います。

(監修/福島県立医科大学病態制御薬理医学講座主任教授 下村健寿)

※次回は4月17日に公開予定です。

※筆者親子が入院した病院は、監修者の在籍病院や筆者の元勤務先の病院ではありません。入院先の具体的な病院名と医師名は匿名とさせていただきます。

◎高橋 誠(たかはし・まこと)
医療・健康コミュニケーター。広報コンサルタント。ミズノ、リクルート、米国西海岸最大の製函会社(LA12年)、学校法人慈恵大学広報推進室長(東京16年)など日米複数法人通算36年の広報宣伝業務を通じ、メディア・医療関係者と幅広い交流網を構築。独立後は企業広報コンサルティング、医療・健康企画協力、コラム執筆などでメディアと医師をつなぐ。