「役に立つ」には2つある

「役に立つ」には、大きく分けて2つあると思います。

 一つは、当事者が置かれている状況がどんなものか、わかるようにすること。

 もう一つは、当事者が目指すところに対して具体的なプロセスを提示し、はじめの一歩が踏み出せるようにすること。

 自分なりの理想ややりたいことがあっても、思うように進まないと、なぜそうなってしまったのか、よくわからないことがあります。

 新しいことに取り組もうとしているのに、周りの人たちが思うように動いてくれないとき、そもそも周りの人たち自身のやる気がないのか、それとも責任感が欠如しているのかと考えがちです。

 また、それならばと、もっとやる気のある人を他部門や外部に求めますが、人員調達もなかなかうまくいかず、行き詰まってしまうこともあるでしょう。

 こんなとき、自分が置かれているのがどんな状況なのか。他者を交えて考えてみると、その状況が生じている理由が少しずつ見えてきます。

「自分は、周りの人たちにどんな説明をしたのか?」

「それでも、少しだけ周りの人たちが動いてくれたときはあったか?」

 などを考えてみると、

「そもそもどんなことをやろうとしているのか。どう動いてほしいのか。周りの人たちにきちんと説明してこなかった現実」が見えてきます。

 そうなると、次に何をしたらいいか見えてきて、周りの人たちのやる気の有無のせいにせずに、具体的に手を打てるようになるのです。