歯ぎしりの
セルフチェック

 歯ぎしりは自覚している人もいれば、自分で全く気がついていない場合も結構あります。睡眠中の歯ぎしりは8~16%の人がしているのですが、クレンチングは音がしないので本人も周囲の人も気付きにくく、そのまま放置され、さまざまな弊害が起こるので要注意です。

 次のようなことがあったら、既に歯ぎしりが常習になっている可能性があります。

◎スリープパートナーから、1年に3回以上歯ぎしりを指摘されたことがある。
◎朝起きたとき、顎(あご)や頬に強ばりやハリを感じることがある。
◎頬や顎が突っ張って口を開けにくいことがある。
◎昼間でも気がつくと上下の歯を噛み締めていることがある。
◎去年(の顔写真)と比べて下膨れの顔になった。
◎下の歯の内側の歯茎にコブのような盛り上がりができた。

 もし上記に当てはまらなくても、心配な場合は、専門医療機関で「筋電図」による検査を受けましょう。

歯ぎしりの
危険性

 通常、歯ぎしりは自分の体重ほどの力が歯にかかり続けます。噛み締める力が強い人は体重の2~5倍もの力になり、口の中に次のような悪影響が出ます。

幸町歯科口腔外科医院の宮本日出院長幸町歯科口腔外科医院の宮本日出院長

◎歯のすり減り
 上下の歯がギリギリと擦り合い続けることで、歯が異常にすり減ります。歯の高さが低くなり、口元の長さが短くなり老けて見えます。

◎歯の破損
 歯が欠けたり割れたりする原因に歯ぎしりが大きく関わっており、これにより歯を早期に失うことになります。ムシ歯の治療で詰め物が入っている場合、詰め物が外れる原因になることも。

◎歯周病の進行
 歯ぎしりを放置すると歯周病が一気に進行します。

◎知覚過敏
 歯の根元に力(応力)がかかり続けることで、その部分がくびれて知覚過敏となります。また歯がすり減ったり、歯の表面に亀裂が入ったりすることも知覚過敏の要因に。