日本政府の政策が批判されるがあまり、
評価すべき日本の良さが見落とされている
日本の新型コロナ感染者数・死者数が欧米などと比べて少ないのは、さまざまな要因が考えられ、それらは「ファクターX」と呼ばれた(第243回)。現在でも、なにがファクターXか判明しない。だが、少なくとも諸外国からも高く評価されていることがある。
それは、コロナ禍の日常生活におけるマスク着用、うがい、手洗いの励行、「3密」を避けるソーシャルディスタンスを守るなど、日本国民の規律ある行動だ。また、日本の街の清潔さ、国民皆保険制度による日常的な医療の充実も評価が高い。
ただ、日本政府の政策が後手に回り、厳しく批判されている結果(第264回)、日本人の規律正しい行動、国民皆保険制度の充実などの高評価は陰に隠れがちだ。だが、本来は、日本が五輪を開催できる条件の良さとして、世界にアピールできるものである。
海外でも日本でも、個別のスポーツイベントは開催されている
また、コロナ禍の中でも、世界中で個別競技のスポーツイベントが何も問題なく開催されているということは重要だ。欧州では冬季種目のW杯や世界選手権が開催され、高梨沙羅選手、小林陵侑選手、渡部暁斗選手らの活躍があった。
大坂なおみ選手が優勝したテニスの全米オープン、全豪オープン、松山英樹選手が優勝したプロゴルフのマスターズも、徹底した感染防止策が実施された上で開催された。
欧州各国では、プロサッカーのリーグ戦が、米国では八村塁選手、渡邊雄太選手が活躍するプロバスケットボールリーグNBAや、大谷翔平選手の「二刀流」に沸くメジャーリーグ・ベースボールが開催されている。
日本でも昨夏の高校野球、インターハイは中止となったが、その後春高バレー、高校サッカー、高校ラグビー、春のセンバツ高校野球は開催された。現在、プロ野球、Jリーグは全国で試合を実施している。