税務署が「これは怪しい」と疑うポイントとは?

 生前贈与そのものは「あげた、もらったの約束」等がしっかりできていれば成立します。贈与税の申告を親が代わりに行ったとしても、直ちに贈与そのものが否定されるわけではありません。

 しかし、そういった贈与税申告が行われている場合、調査官には「贈与税の申告書は提出されているものの、子どもは贈与のことを知らされていないのではないか?」と映り、疑いを持たれます。

 結果として、相続が発生したときに税務調査に選ばれ、過去の贈与税申告の真相について追及される可能性があります。

 このやり方の本来の趣旨通り、贈与で財産をもらった人が、自ら贈与税の申告をし、納税まで済ませるのであれば、何も問題ありません。

 しかしいつの間にか、「贈与税を少しだけ納めれば、名義預金にならない」という間違った認識が世の中に広がり、余計に怪しい贈与税申告書が税務署に提出される結果になっています。

 贈与税を払うこと自体に意味があるのではなく、贈与で財産をもらった人自らが申告手続きをすることに意味があるのです。