教師#15Photo:PIXTA

2020年に小学校教師への就職者が最も多かったのは福岡教育大学、中学校と高校で最も多かったのはどちらも日本大学。では総合トップになったのは?特集『教師 出世・カネ・絶望』(全15回)の最終回では、各大学の教師への就職実績を徹底検証。20年実績とともに過去5年、および小学校、中学校、高校それぞれの実績まで詳細を集計した。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

地方では「給与面で恵まれた勝ち組」
採用低倍率で絶好のタイミング

 公立学校教師を採用する試験の採用倍率(競争率)は過去最高となる2000年度の13.3倍をピークに、右肩下がり。20年度は3.9倍で、過去最低となった1991年度の3.7倍に迫る。

 70年代前半の第2次ベビーブームで子供が増えたときに大量に採用された世代の教師が定年ラッシュを迎えている。これにより現場で教師が不足し、採用を拡大したことで倍率が下がっていった。近年は受験者数も下降し、倍率低下に拍車が掛かっている(詳細は本特集#7『「公立小学校の教師は低レベル」説の真相、ダメ出しする保護者が続出中』参照)。

 教師の多忙ぶりが世に知れ渡っている中、大企業がたくさんある東京の学生は、労働環境と給与の両面での比較優位から民間企業就職に流れがちだ。ただ、地方において公立学校の正規雇用は今なお「給与面で恵まれた勝ち組の部類」と現役教師は言う。

 教師の労働環境の問題は解消されていないが、一方で、採用倍率が低い今は教師の職をつかむ絶好のタイミングである。

 では、教師への就職者数が多い大学はどこか。最新の実績に加えて過去5年分の実績を見ると、各大学の実力が鮮明になる。

 20年度の小学校1位は福岡教育大学、中学校と高校の1位はどちらも日本大学だ。