これが問題点を解決した図解だ!

 それでは、改善した図解です。

【A】については人アイコンと酒量の差をイメージできるアイコンを配置しました。これで目どまりがよくなり、双方の差が素早く伝わるよう改善されました。下図を見てください。

コロナ禍のアルコール依存症治療、「断酒」と「減酒」の違いを【1枚の図】にしてみた!

【B】については円グラフをピラミッドの型に変更しました。また、「矢羽」を使った流れの表現で、治療の流れの一体感を強めました。下図を見てください。

コロナ禍のアルコール依存症治療、「断酒」と「減酒」の違いを【1枚の図】にしてみた!

【C】では治療の流れがスムーズに伝わるように、また、相談や目標設定を繰り返していく過程がわかるように「サイクル型」を使用しました。下図を見てください。

コロナ禍のアルコール依存症治療、「断酒」と「減酒」の違いを【1枚の図】にしてみた!

 これらを「1枚の図」にするとこうなります。これで完成です。下図を見てください。

コロナ禍のアルコール依存症治療、「断酒」と「減酒」の違いを【1枚の図】にしてみた!

改善に使用した「図解の型」はこれだ!

「ピラミッド型」は階層関係を明確に表すことができる型です。「循環型」「矢羽」はどちらも時系列による変化を示す型ですが、「循環」は繰り返される流れを伝え、「矢羽」はシンプルな変化や手順を伝える時に有効な型です。「矢羽」はテキストを矢印そのもので囲むので一体感があり一方向の流れを強調する時に効果を発揮します。

コロナ禍のアルコール依存症治療、「断酒」と「減酒」の違いを【1枚の図】にしてみた!

 今回は3つの型を使用しましたが、書いている図がいまひとつ伝わりにくい、まとまりがないと感じたら「他の型」を検討してみるのはとてもおすすめです。

 複数の資料をもとにした図解の作成、いかがでしたか? 資料をもとに作り上げていく図解も、限られた時間内でどれだけ「伝わる」ものになるかが勝負。少し複雑な構成の図解も、まずはスピーディにアイデアスケッチをして構成を決め、箇条書きにした内容から情報の分類、要素の配置を行い、途中の過程で見直していくのがポイントです。

 私自身、超複雑な図解に向かう時はややブルーな気持ちになります。「これだ!」という図解が1発で決まることなどめったにありません。最初から正解がはじき出せることもほぼありません。しかし、カチッと表現が決まった時のなんとも言えないスッキリ感は格別です。そして、その図解が誰かの役に立つととても嬉しく感じます。

 減酒を続けるポイントに、「毎日の飲酒量を日記で可視化する」がありました。自分の思考や行動の記録など、日常の中でも情報を「見える形」にすることはとても有効です。皆さんも、伝えたい・残したいと思う情報があれば、ぜひ図解にトライしてみてください。