『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』10万部を突破! 今回は、著者の借金玉さんに様々な「リアルな困りごと」について質問をぶつけてみました。

発達障害の僕が発見した「仕事で伝わる文章が書ける人」と「永遠のライター志望」で終わる人の差Photo: Adobe Stock

「3冊読んでレポートが書ける力」をつけろ

――大学に入って「レポートの書き方がわからない」と悩む方が多いそうです。

借金玉 それは文章読み慣れてない人にとってわりと当たり前に起きることです。一文字一文字文章を追うことしかできない人は、文章を書くために必要な「構造認識」みたいなものが出来てないのでそもそも書けるわけがありません。落ち込む必要はないです。

――「構造」ですか。

借金玉 文章の中でも、レポートの類は分かりやすい構造を持っています。読書猿さんの『独学大全』(僕がこういうのをやりたかった!と勝手に悔しがっている本)でもトゥールミン・モデルとして紹介されている「主張/根拠/論拠/再主張」という「型」。覚えれば、学部のレポートから就活のESくらいまでこの技術1本で無双できるので、ぜひ習得してほしいですね。

――どうすれば習得できるのでしょう?

借金玉 柔道の打ち込みみたいなもので、「身体が型を覚えて勝手に動く」ところまでやりこまないと稼働しません。文章を大量に読んで来た人は自然に身についていることが多いですが、そうでない人は出来なくて当たり前です。

 習得の速さと能力的上限の相関はいうほど強くありません。僕も「型」を習得するのには相当てこずりました。差をつけるのはむしろ「どれだけ執着し続けられるか」です。出来るまで打ちこみしましょう。

「サッと本3冊くらい読んで、明瞭でよく構築されたレポートが書ける」って、めちゃくちゃ金になるうえに、社会人生活で「出来ると差がつく」部分なので、大学のレポートはマジでやった方が絶対に得ですよ。文章力は金になる「使える技術」であり、習得する価値があるものです。