「研修によって営業力をアップさせたいのが、新入社員なのか、入社2~3年目の若手なのか、10年そこそこの中堅なのか、店長クラスなのか、マネジメントクラスなのか、層によって研修の中身は変わるよね。どの層への研修を望まれているの?」

「……すみません、聞いてないです」

「いや、そこは聞こうよ!」っていう話です。

 さらに、ひと口に「営業力アップ」と言っても、「営業としての心がまえの強化」なのか、「営業テクニックの強化」なのか、それによっても研修内容は変わります。

 相手のニーズに正しく応えるためには、このように、「分解」して掘り下げ、イメージを明確にする必要があるのです。

「御用聞き営業」を超えた
「頼りになる相談役」になる

 もし、質問をして、相手の要望を分解して掘り下げれば、

「マネージャー層の、会社に対する忠誠心が、創業期はめちゃくちゃ強かったのに、社員が増えることでだんだん弱まってきている。ここを変えたい」

「中堅クラスの営業パーソンたちの、『自社の商品でお客さまに貢献しよう』『世の中のために尽くそう』という思いが、最近弱まってきている。それを思い出させたい」

「若手営業パーソンたちのアポ獲得率が低い。クロージングのパーセンテージが、昨年より3割も落ちている。なので、アポ取りとクロージング率を上げたい」

 そんな具体的なニーズがわかるはずです。

「営業力が落ちているんです」と相談してきた研修の発注者に、

「ありがとうございます。『営業力が落ちている』とは、成約の件数が落ちているんですか? それともクロージング率ですか? 売上の金額ですか? 利益率ですか?」って聞くと、それだけで、相手がドキッとすることもあります。

「調べてから、また相談します」となって、発注担当者の成長にもつながります。