どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーこちらからどうぞ。

資産形成の大きなカギ、<br />ポジティブ・レバレッジと<br />ネガティブ・レバレッジとは何か?Photo: Adobe Stock

小さな自己資金で大きな融資を獲得し、
優良物件を購入するのが鉄則

 以前にも紹介したが、僕自身、上京した時は、まったくの資産なしで、必死にサラリーマン時代の給料を貯金したところから不動産投資をスタートしている。実際700万円の貯金を使って、どのように資本的テコ(レバレッジ)を利かせたのか?

 これこそが不動産ファイナンスの面白いところであり、ドラマである。

 レバレッジ(てこの原理)を使えば、700万円の自己資金に1億円以上の有利な融資を受けられ、1億5000万円の物件に投資することができたりもする。小さな自己資金で大きな融資を獲得し、優良物件を購入するのが鉄則だ。

 そして、BOE分析をおこなってみてローン後キャッシュフローを計算してみると、たとえ空室率が上がったとしても十分黒字になる有利な融資の借入をポジティブ・レバレッジという。

 金利1.5%などで30年や35年の借入であれば十分ポジティブ・レバレッジとして、まさにてこの原理のようにあなたの資産を大きく持ち上げてくれて拡大してくれる。

 実際は、僕やメガ大家仲間は金利1%以下でローン条件の提示を受けることが多いが、金利は1.5%を下回り始めたあたりから、それほど金利値引きのインパクトがなくなってくるので、あまり銀行を虐(いじ)めすぎるのはやめよう。

 お互いの気持ちいい取引のためにも、借入期間を長く取って、ローン後キャッシュフローの向上を狙いにいったり、頭金を少なくするほうがスマートな融資のやり方だ。