安定的な金融サービスを提供する
タックスヘイブンはどこか?
「英領マン島に設立した会社経由で金融商品を買って、資産運用しています。信託をかませているのでばれないと思いますね」
ある中小企業の社長はこう話す。マン島といえば、英国王室御用達とされるタックスヘイブン(租税回避地)として有名だ。こうしたタックスヘイブンは他にもケイマン諸島やヴァージン諸島、スイス、シンガポール、香港など世界各国にあり、10年の国際通貨基金(IMF)の発表によれば、南太平洋にある大小のタックスヘイブンだけで、約18兆ドル(約1800兆円)もの巨額な資産が集まっていたという。
もっとも、16年初頭にパナマの法律事務所が世界の有名人たちの取引データを流出させて世界を騒がせた「パナマ文書」以降、タックスヘイブンに対する風当たりが強くなった。また、テロリストの資金源として、マネーロンダリングの温床であるとの非難も高まり、「秘密主義」で知られるタックスヘイブン諸国の優位性はなくなりつつある。
とはいえ、世界の金融センターとして長らく君臨してきた英国が実質的に支配する英領のタックスヘイブンは、「法整備も含めて金融システムが安定している」とプライベートバンカーや税理士たちが言うように、世界の富裕層のマネーが集まっているのは間違いない。