「バリューチェーン」はもう古い!
これからは「バリューサイクル」の時代が来る

山口 あともう1つ、僕が『プロセスエコノミー』を読んで思ったのが、去年出した『ビジネスの未来』にも書いていたことです。「バリューチェーン」という考え方から、「バリューサイクル」という考え方に変わってきているという話をしていて…。

 要するに、「バリューチェーン」は、提供者がいて受益者がいてそれで終わり、という関係ですが、「バリューサイクル」は、ある種の「陰陽図」のようなものです。

尾原 そうですね。陰が陽になり、陽が陰になる。

山口 提供者が何かを出す、出したものに対して受益者が返す。それが、提供者に行動を変えさせるきっかけになっていて、グルグル回っていく。というのが、現実にいろんなところで起こっていると思うんですよね。

 アウトプットエコノミーは「バリューチェーン型」で、出し手と受け手がはっきり分かれていて、いったん受け取ったらそれで終わりという世界です。一方で「バリューサイクル」は、モノを作るプロセスの中に受益者側が入り込んで、そこでいろんな反応をすることで、またアウトプットの方向に影響を与えることになるという…。

尾原 まさにこの図ですよね。これ、周さんの手書きっぽいですよ。

「役に立つ」では生き残れない!これから必要なのは「意味」である理由引用:山口周(@shu_yamaguchi)Twitterより

山口 あ、こんな図を書いていたんですね。手書きですね、これ僕の字ですね。

尾原 はい(笑)。

山口 これも確かに、「プロセスエコノミー」という枠で考えるとうまく整理できるな、と思いながら書きましたね。

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