現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「流されやすい人」は稼げない?
あなたは、周りに流されやすい性格でしょうか。それを自覚しているなら、少し変えていく工夫をしたほうがいいかもしれません。
というのも、日本で生きる限り、「言われたことだけやる指示待ち」は、どんどん食えなくなってくるからです。
海外の人件費は、少ない場合なら月3万円で働いてくれます。すると、指示通りにやってくれるだけの仕事は、どんどん海外に出ていくことになります。そうやってぽっかり空いてしまったのが、日本の製造業の現場でした。
日本だと、指示待ちの人にも月20万円くらいは最低でも支払わないといけないですからね。勤勉でなんでも言うことを聞くようなタイプは、派遣労働やアルバイトから抜け出せないループに入り込んでしまうのです。
上の話を聞いて、それでも「自分はダラダラ生きていきたいから」というのであれば、それでよいと思います。指示待ちで何も考えずに最低限の仕事をして、そのお金で生活レベルを維持させるのであれば、なんの問題もありません。
しかし、中には「もっと自分の意見を主張したいのに、周りに流されてしまう……」と、うまくいかないことに悩んでいる人をよく見かけます。そうであるなら、早く考えを変えて、そこから脱したほうがいいでしょう。
では、どうすれば、周りに流されなくなるのでしょうか。
この言葉には、要注意
まず、「みんな」という言葉の解像度を上げるようにしてください。誰かが意見を言っているときや、自分を説得しようとしているときに、「みんな」という言葉を使っている場合、それにつっこんでみてください。
「みんなって誰ですか?」
「みんなって何人ですか?」と、聞いてみるのです。
そうやって聞いてみると、「○○さんだけですが……」とか「2人くらいから聞いたかな……」とか、実はそんなに人数がいないことに気づけると思います。中には「みんなはみんなですよ」と、訳のわからないことを言う人もいます。この場合は、たぶんその人の都合のいいことを言おうとしているだけなのでしょう。
周りに流されやすい人は、「みんな」と言われたときに、すぐに弱気になってしまいます。その性格を知って、相手も「みんな」という言葉を使ってくるのです。そのことに気づくようにしましょう。
流されやすい国民性?
日本人はモラルが高いと言われます。行列を作って、ちゃんと並びます。怒り出すような人は少ないと言われます。それは、「同調圧力」があるからでしょう。
行列に割り込みをすると、周りの目が注がれます。その恐怖感があるから、我慢して並んだほうがトクだと考えますよね。
僕がパリに住んで気づいたことは、妊婦さんを多く見かけるということです。これは、おそらく日本の場合だと、妊娠してから電車に乗ると迷惑がかかると思ってしまい、タクシーや車を多く利用するからでしょう。
それが、パリの場合だと、堂々と電車を利用して席を譲ってもらっています。もちろんそれが当然の権利ですからね。でも、それが日本ではやりにくかったりします。席を譲ったり、譲られる行為は、注目を浴びて目立ちますからね。
よかれと思ったことを1日1つやってみる
なので、よかれと思ってやろうとする行為は、まずはやってみるべきだと思います。相手の出方や周りの目が気になるかもしれませんが、それでも、ちょっと行動に移してみてください。
どんなに細かいことでもいいと思います。病院の待合室のテレビのチャンネルを変えるのでも、電車やバスの中で窓を開けるのでもいいでしょう。
少し注目を浴びるかもしれないようなことを、外に出たときは1つくらいやってみてください。徐々に他人の目に慣れていき、特に何も言われないし迷惑もかけないという事実に気づくことができると思いますよ。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。