『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が20万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏が「著者の知識が圧倒的」、独立研究者の山口周氏も「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
障がい者教室の子といっしょに遊んだり帰ったりしてたらイジメられるようになりました。どうしてですか? 学校に行きたくないです。
あなたは学校の外でも「本当の友達」が作れる人です
[読書猿の回答]
一番大切なのはあなたの命と心を守ることです。泣いてもいいので「いじめられているので学校に行きたくない」「助けて」と言いましょう。あなたはもう十分頑張りました。あとは周りの大人がなんとかする番です。
ここから先は今は読まなくてもいいです。あなたの命と心がちゃんと安全な状態になってから、落ち着いてから読んでください。
いじめの原因は、いじめる側にあります。いじめが相手にとって(そして自分たちにとって)どんな結果を生むか、それこそ一生を台無しにするところまでいく可能性を考えられないこと、周囲の人間と一緒にやるので罪悪感を薄められること、そして何より自分がいじめられる側に回りたくないこと等から、いじめは行われます。
なので、いじめは理由など無くても起きます。むしろ「いじめる理由」は、いじめの中で作られます。
それでも「障がい者教室の子といっしょに遊んだり帰った」ことでイジメられるようになったのは何故なのか、その理由をお知りになりたいかもしれません。
いろんなことが分からないので当てずっぽうですが、あなたにとって「障がい者教室の子」といっしょに遊ぶことや帰ることは特別なことではないのに、イジメをする人たちには特別のことだったのだと思います。自分たちにはできない「特別なこと」を普通にやれてしまうあなたがうらやましくて、ねたましくて、あなたをさげすまないと、気持ちが落ち着かなかったのでしょう。
そういう人たちには、本当の友達はできません。仲間内で少しでも他の人より「特別なこと」ができてしまうと恨まれるので、無自覚に足を引っ張り合い、お互いの様子を監視しあい、気持ちが落ち着くことはないでしょう。
あなたたちはみんな、やがて学校を卒業して、学校の外で暮らすことになります。同じ年の子ばかりではない、いろんな年齢、いろんな出身、いろんな特徴を持つ人達と出会い、付き合うようになるでしょう。
私はあなたなら、そうした学校の外でも本当の友達をつくることができる人になれると思います。