私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回、紹介するシナツヒコは、「風の神」です。2020年12月から「風の時代」がスタートしましたが、今の時代、知っておくと何かと得する神様です。
*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』から、一部抜粋・再編集したものです。

これから200年続く「風の時代」に知っておきたい神様Photo: Adobe Stock

元寇を防いだ風の神は、風の時代に最適な情報の神

これから200年続く「風の時代」に知っておきたい神様シナツヒコ
イラスト/朝倉千夏

「風の神」であるシナツヒコは、古事記では志那都比古、日本書紀では級長津彦と表します。シナは「息が長い」という意味で、イザナミが朝霧を吹き払った息から生まれました。伊勢神宮内宮の風日祈宮(かざひのみのみや)、伊勢神宮外宮の風宮(かぜのみや)にて、女神の級長戸辺(シナトベ)と共に祭られ、男女コンビのようです。

 第8代執権・北条時宗の時代、元と高麗の連合軍が日本侵攻を2度企てた元寇(蒙古襲来)の際、神風が吹いて撃退した伝説でシナツヒコは一躍有名に。伊勢神宮でも内宮の風神社・外宮の風社(かぜのやしろ)のランクが上がります。

 もっとも1度目の侵攻「文永の役(ぶんえいのえき)」では戦闘中にそんな記録はなく、元・高麗軍の撤退時に暴風雨があったとか。2度目の「弘安の役(こうあんのえき)」では、台風により、撤退を決めるほどの大きな損害が出ました。

 風の神は、「情報の神」でもあります。シナツヒコのご利益は現代的で、SNSの活用やネットの情報拡散もまた「シナツヒコの風」。情報技術の発展と膨大なデジタルデータの蓄積により、経済は、物の所有からデータの共有へシフト中です。データをもとにこの先どうなるか先読みするなど、マーケティングや未来予測もシナツヒコのはたらき。また、時流を捉えて、スピーディーに進化・発展することもシナツヒコのご利益ですね。

 風の神を祭る神社で忘れてはならないのが奈良県生駒郡の龍田大社。崇神天皇の夢の中に現れ、「不作の原因は我の祟りで我を祭れば祟りはおさまる」と告げたため創建されたのはオオモノヌシと同じ。ご祭神は、天御柱(あめのみはしら)と国御柱(くにのみはしら)とありますが、同社によると、シナツヒコとシナトベです。天武天皇(持統天皇も)は篤く信仰し、龍田大社を実際に創建したようです。

 占星術によると、2020年12月22日より「風の時代」がスタートし、これから200年以上続くとか。SNSでシェアされない人は、シナツヒコの力を借りて、多くの人に情報を届けましょう。

【主なご利益】開運招福、商売繁盛、五穀豊穣

【こんな人にオススメ!】
新しい風を呼び起こしたい人。新技術を使いこなして一旗あげたい人

*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋です。