それでも想定外のことが起き、金額が大きかったりするのが不動産経営ですが、トラブル対処法を普段から考えておけば、その組み合わせで解決できます。一番怖いのはパニックになっておかしな判断をすることです。

 他方で、慎重すぎて石橋を叩き割ってはいけません。好機ならばすぐ動く、物件情報が入ったらすぐ見に行く、人を紹介してもらったらすぐ連絡を取って会いに行くのは当然のことです。

 不動産経営では一瞬の判断が必要な瞬間があります。要は、バランスです。

向いている性質(3)
人間力

 不動産投資は不労所得で、収益物件を買ったらもう社会とかかわらなくていいと思われているフシがあります。しかし、不動産経営は人が相手なので、まさに「人間力」が重要です。

 一般的に不動産投資と言いますが、「不動産経営」なのです。

 言いたいことを伝えること、言われている意味を受け止め、裏の意味も読み取ること、不動産以外の話題で場を和ませることなどが必要です。こういう「幅」というものは、無理をして身につけようとするものではなく、普段から何げなく身についていくものです。コミュニケーションという意味では、話題の引き出しは多いに越したことはありません

向いている性質(4)
客観性

 物事を客観的に見ることが必要です。

 自分が不動産屋だったら、どういう人に物件を紹介したいか、どういう大家の物件に入居者を斡旋したいか。金融機関だったら、どういう人にお金を貸したいか。入居者だったら、どういう物件に住みたいか。どういう大家、どういう管理会社ならば住み続けたいかなど、客観的に考える必要があります。

 そのためには、それぞれの目線から不動産に関する情報も読んで頭に入れておき、自分の行動に活かしましょう。自分がこう考えて行動する、だから相手も同じように考えて行動するだろうし、そうするべきだという自分目線は、不動産経営に限らず、まったく通じません

向いている性質(5)
粘り強さ、情熱、楽天的、自信

 不動産経営は、物件を買うまでも、また、購入後の経営も、粘り強さが必要です。アパートを買おうとして訪ねて行った不動産屋で笑われたり、物件候補を持ち込んだ金融機関で門前払いを食らったりしたくらいでくじけていてはいけません。そこからが勝負です。

 一度断られたくらいでへこむ人は、金融機関も、不動産屋も相手にしません。そんなことでは不動産経営はできないからです。これは情熱の表れです。

 長期的には楽天的なことが重要です。マイナスの点も想定しつつ、「最終的にはきっとうまくいく」「自分は運がいい」と、漠然とでも思うことです。

 何とかなるし何とかするという自信が必要です。そう思えるためにこそ、普段の勉強、想定外のことを想定内にする準備を続けることが必要です。