実は危険な症状③「体から血が出る」
がんは大きくなると、がんそのものから出血するようになります。がんの種類によって、出血の現れ方は異なります。
食道がんであれば、吐血(口から血を吐く)します。
肺がんであれば、血のまじった痰が出たり、喀血(かっけつ。肺からの出血。吐血とパッと見では区別できません)が起きたりします。
胃がんであれば、胃から出血した血が腸を通過する間に変色し、黒くなって便に混ざることで、黒っぽい便が出ます。
大腸がんであれば、腸から出血し、新鮮なまま外に出るので赤い血便が出ます。
膀胱がんや前立腺がんであれば、尿に血が混ざります。
子宮がんであれば、腸や膀胱に転移することで血便や血尿が出ることもあります。
生理や痔からの出血などは別として、体から血が一定期間出続けるのは、「体に異常がある」可能性が高いです。いずれの場合も、基本的にはまず一般的な内科を受診してください。
さらに気をつけたいポイント!
このようにがんにはある種の共通した特徴があります。その上で、個別のがんの症状で気を付けたいのが、「血のつながった家族が罹患したがん」「自分にとってリスクの高いがん」です。
例えば、大腸がんや前立腺がんは遺伝の影響が強く、家族に該当する場合は要注意です。またお酒が好きな人や糖尿病の人はすい臓がん、塩分の摂取量が多い人は胃がんのリスクが高まります。
本日ご紹介した「がん共通の3つの初期症状」、親御さんや身近な人にぜひ教えてあげてください。
(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)