私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回紹介する神様は、アマテラスの妹、もしくは、娘ともいわれているワカヒルメ。毒されていると感じる人には、いいご利益があります。ワカヒルメを感じるには、最もいい神社が神戸にあるのです。

関西在住なら一度は行っておきたい神戸一の神社Photo: Adobe Stock

空海に高野山を与えた少女
アマテラスの妹か娘?

関西在住なら一度は行っておきたい神戸一の神社ワカヒルメ
イラスト/朝倉千夏

 日本仏教のツートップ・最澄と空海を描いた漫画『阿・吽』、その中で空海が親しくまじわった山の民の女神「にうつ様」こと丹生都比売(にうつひめ)が、ワカヒルメ(稚日女)です。高野山の奥に祭られている女神とその民たちと交流するなか、高野山は空海に与えられ、真言宗の聖地となりました。丹は硫化水銀から成る赤褐色の鉱石で、赤い鳥居や什器の塗料、消毒の赤チンなどに使われます。強い防腐・消毒・殺菌力があり、丹の生産される丹生(にう)の地はパワースポットです。

 ご利益は、この丹のごとく、「若さを保つ」「腐らない心でいる」「魔を防ぐ」などです。要するに、自分を消毒されちゃう感じです。ワカヒルメはアマテラスの妹、アマテラスの娘、あるいは少女時代のアマテラスとも言われます。「同じ神様なのか違うのか、ややこしい」と思われそうですが、日本の神様あるあるなので、ご容赦ください。

 ワカヒルメもまた神功皇后が信仰した神で、コトシロヌシ、住吉三神、アマテラス荒魂と共に、朝鮮半島への航海に同行しました。

 神様の同行って謎ですが、おそらく石や鏡などに神霊を宿らせたのでしょう。帰路にワカヒルメのご神託により、神功皇后はワカヒルメを祭る神社を建てます。神戸市の生田(いくた)神社です。生田神社を守る家は神戸(かんべ)といい、神戸という地名の由来になりました。

 生田神社の拝殿背後に広がる「生田の森」は小川流れる清涼な場所で、気分もリフレッシュされるので、おすすめです。個人的に、ワカヒルメを一番感じられる場所。水の流れる神社の森は、美肌を促すのか、気分だけでなくお肌も瑞々しくなった気がしますよ。

【主なご利益】健康長寿、良縁成就、心身健全

【こんな人にオススメ!】
毒されているなと感じている人

*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋し、再編集したものです。