恋愛で別れることに挑戦できないのも、
失敗慣れしていないから
恋愛なども同じです。
暴力や暴言が当たり前の最低なクズ野郎としか思えない男性と、なかなか別れられないという方が診察に来られることがあります。話をしていると、「彼がいないと私は生きていけないし」と、勝手に自分はそのクズ野郎としか付き合えないと思い込んでいたりします。
そういう男性は、大概暴言の中で「お前なんか、俺くらいしか相手にしてもらえないんだぞ」という人格否定を入れてきます。その言葉の鎖によって、より強固に「この人しかいないんだ」と思い込まされている人が多いです。
こういう人は、似たような男性としか付き合っていないか、その男性が初めての恋人だったりします。なので、恋愛で他の挑戦(違うタイプの人と付き合う、恋人と別れてしばらく一人で過ごしてみる)をするのが怖いのです。
でも、何度か挑戦して失敗をするうちに「まぁ、この人と別れても、また次の恋人がいずれできるだろう」と思えれば、すぐに別れるアクションがとれ、しんどさを減らすことができます。意外に一人になってから「自分は他人とずっと一緒にいるのに向いていなかったな」という発見もあるかもしれません。
別れることに挑戦できないのは、やはり失敗慣れしていないからと言えるのではないでしょうか。
POINT:
失敗に慣れることで、しんどさは消すことができる。
元内科の精神科専門医 中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。