私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
龍神にまつわるエピソードで今回登場するのは、九頭龍大神。「新世紀エヴァンゲリオン」の聖地巡礼でも有名な芦ノ湖畔にもいらっしゃいます。西武グループの繁栄もまた、九頭龍大神のご利益かもしれませんね。

エヴァの聖地には九頭龍大神が眠っている【龍神にまつわるエピソード3】Photo: Adobe Stock

政財界の裏に箱根の龍神あり

エヴァの聖地には九頭龍大神が眠っている【龍神にまつわるエピソード3】九龍龍大神
イラスト/朝倉千夏

 会社員時代の私の仕事で「30億円の契約」が決まり、神社に参拝するご利益を実感したのが芦ノ湖畔の九頭龍神社でした。神奈川県箱根町の元箱根にあり、九頭龍大神(くずりゅうのおおかみ)をお祭りしています。私が初めて神社参拝の旅をした場所で、月に一度のお祭りの日に、雨の中ご祈祷を受けました。雲の中にすっぽり入ったような感覚になり、インパクトある体験でしたが、数日後、展示会にイレギュラーな形で出展が決まり、30億円の契約獲得につながったのでした。

 九頭龍大神は、名の通り、九つの頭がある龍ないし大蛇として描かれます。全国各地に九頭龍さんの伝承があり、たとえば長野市の戸隠神社の九頭龍大神です。ある修行者が法華経を唱えることで、九つの頭と龍の尾を持つ鬼をこの地に閉じ込め、善なる龍神に変化させたとか。自社に「30億円の契約」をもたらした芦ノ湖の九頭龍さんも、暴れていると、ある僧が善なる龍神に変化させたとされます。九頭龍さんは元々、人々を困らす悪い存在で、僧侶が呪術でこらしめ、仏法を説き、良い性格に矯正したとされるわけですね。

 経営者には絶大な人気で、私が参拝した芦ノ湖畔にある九頭龍神社・本宮は、一時、西武グループの私有地だったほど、関係が深いです。西武グループは、埼玉西武ライオンズ、西武鉄道、西武百貨店(今はそごう・西武)など、名だたる流通企業グループで、創業者や後継の経営者たちは、芦ノ湖の九頭龍さんのお力をよく借りていたようですね。

 西武グループの繁栄を見ると、とりわけ関東で大きな仕事をしたい人は、芦ノ湖の九頭龍さんに挨拶されることをおすすめします。縁結びでも有名で、特に大きな仕事をする人とパートナーになりたければ、良い場所ではないでしょうか。芦ノ湖畔は、箱根神社、九頭龍神社・本宮、箱根元宮の三社詣でがおすすめですが、忘れられがちなのは、芦ノ湖畔に向かって参拝すること。なにせ九頭龍さんは、芦ノ湖にいらっしゃるわけですから、湖に向かっても手を合わせてみましょう。

【主なご利益】商売繁盛、良縁成就、金運向上

【こんな人にオススメ!】
とにかくデカい仕事をしたい人。大業を成し遂げたい人

*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋し、再編集したものです。