リスク分散の観点からは
異業種の株のほうがよい

 筆者の知人に、「自社株ではなく、ライバル企業の株を買っている」人がいた。同じ業界のライバル企業であれば様子は分かることに加え、インサイダーのリスクもなく、何より自社がライバルとの競争に負けた場合にライバルの株価が上がればリスク分散になる、というわけだ。

「自分のボーナスが減ったらライバル社の株価が上がるだろうから、いずれにしても困らないはずだ」と自慢していたし、筆者もその考え方には感心していたが、結果は悲惨であった。業界が構造不況業種になってしまったからだ。

 やはり、リスク分散をする際には同じ業界は避けたほうがよい、ということだ。業界は異なっていても、例えば円高に弱い輸出業界に偏っていては、リスクである。

 勤務先が円高になるともうかる会社であれば、円安になるともうかる会社、円相場の影響を受けない会社、などにバランス良く投資をするのがよかろう。勤務先が景気変動による影響を受けやすい会社であれば、景気変動の影響を受けにくい会社の株を買うということも要検討であろう。