日本維新の会が
躍進する可能性

 私の読みでは今回、第三極の日本維新の会は躍進します。そして存在感を高めてきます。そして万が一、自民党が単独過半数を割り、自民党と公明党で憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を獲得できないようであれば、日本維新の会が連立与党入りすることも視野に入るでしょう。

 いずれにせよ、自民党にとっては野党共闘との一騎打ちを避けるというのが、今後も課題となります。そのために、日本維新の会の全国進出を消極的に賛成するのか、それともまた新たな第三極の誕生を待つのか、何らかの動きを行わなければ、自民党の権力の座は危うくなるかもしれません。

 れいわ新選組のようにイデオロギーに傾倒しすぎる政党でもなく、NHK党のようなワンイシューに特化しすぎる政党でもなく、明確な「ど真ん中」のターゲットを違う切り口で切るような政党が出てくることを期待したいです。

 たとえば、「若者の若者による若者のための政治」を掲げる政党が出てくる可能性は大いにあると思います。日本全国の若者をターゲットにして全国の選挙区に候補者を擁立していけば、小選挙区では勝つことはすぐにはできないかもしれませんが、比例で一定数を獲得することはできるでしょう。若者が投票にいく動機にもなりますし、政治の構図が大きく変わってくることは間違いないと断言できます。

「若者党」ともいえる存在は、これからの政治にとって大事です。シルバー民主主義に傾きすぎている近年の日本の政治を牽制(けんせい)し、一石を投じることは間違いないでしょう。

 就職氷河期の頃から、非正規雇用という形でしわ寄せを受けてきた世代の多くが今や40代になっています。そうした中高年世代のひきこもりが増える中、80代の親が50代の子どもの生活を支える「8050問題」も深刻化しつつあります。

 ご年配の方はよく「若者よ、投票へ行きなさい!」と言います。しかし若者からすれば「どうせ、俺たちが束になって投票に行っても、あんたたち高齢者の票数にはかなわない。最初から負けが決まっているゲームだろ!」という気持ちがあるように思います。

 このゲームも、ルールをぶっ壊して若者世代に有利に働くようなルールを創り出していこうじゃないか、という「若者一揆」が行われれば、案外、次回の選挙あたりから流れは大きく変わるのではないでしょうか。

(元衆議院議員 宮崎謙介)