コロナ感染状況に対する
岸田政権の「現状認識」とは?
「(菅前首相は)国民には説明が十分ではないのではないか、楽観的すぎるのではないかという声が多数ある」
自民党総裁選への立候補を表明していた岸田氏は、9月2日の記者会見で菅前首相のコロナ対策をそう批判。そして、自らは「どれだけ我慢すれば目標に達するのか丁寧に説明する」と自信をのぞかせた。
岸田氏が総裁選で掲げたのは「二つの原則」だ。原則とは、国民の協力を得る納得感ある説明、常に最悪を想定した危機管理の二つを意味する。「医療難民ゼロ」「ステイホーム可能な経済対策」「電子的ワクチン接種証明の活用と検査の無料化・拡充」「感染症有事対応の抜本的強化」の4本柱で、ゴールを明確にした対応に取り組むと公約した。
筆者が入手した経済対策の原案は、第1章で「現状認識と本経済対策の考え方」と題し、コロナ対策を掲載。現状認識としては、全国の緊急事態宣言が解除されたものの、「感染の動向については依然として不確実性が高く、新たな変異株への対応を含め、今後の感染再拡大のリスクに対する備えは不可欠」とした。
2021年度補正予算案は
「総合的かつ大胆なものにする」
経済は持ち直しの動きがあるものの、いまだ尾を引く新型コロナウイルスの影響でそのテンポは弱い。そのため同原案には、コロナ感染再拡大の場合に経済の底割れを起こさないよう「臨機応変なマクロ経済運営」が求められていると明記。コロナ禍で傷んだ経済を立て直し、成長軌道に乗せるため、経済対策の裏打ちとなる2021年度補正予算案は「総合的かつ大胆なものにする」としている。
コロナ対策は、ワクチン接種の推進や検査拡大、治療薬などの普及により、感染予防から感染者の発見、早期治療につなげる流れを強化。「ウィズコロナ」下での社会経済活動の再開と危機管理の徹底、事業者の事業再編・再構築への支援などを柱に据える。