自身初の小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』を上梓する著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」からとっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

精神科医が教える上手にやめる方法イラスト:カツヤマケイコ

「やめたい」より「やりたい」

きょうのひとことは

「前向きにやめよう」

物事のモチベーションは、おもに2つあります。

1つは何かを「やりたい」というモチベーション、もう1つは何かを「やめたい」というモチベーションです。

「やめたい」ということも、「やりたい」ということと同じぐらい大変なことだし、勇気のいることです。

ただし、「やめたい」というモチベーションは、「やりたい」というモチベーションに比べて、ちょっと弱い。

何かを「やめたい」ということは、ちょっと周り人にも話しづらい傾向もあって、なかなか一歩踏み出す勇気が出づらいということもあります。

何かをやめるにしても、自分で決めたことであれば前進できます。

ここで1つ考えておきたいことがあります。

何かを「やめたい」ということは、きっとその後に「やりたい」ことがあるからですよね?

ならば、その後の「やりたい」ことまでを含めて、モチベーションとして設定しておくと、何かをやめることを否定的にとらえることもなくなります。

何かをやめるときには、「なんでやめるの?」とか周りの人に聞かれることもあるでしょう。

「やめたい」という言葉を口にすると、だいたいがネガティブなことのようにとらえられて、「やめるなんて、もったいないよ」とか「続けなよ」なんていう反応が多くなりがちです。

そういう反応をはねのけて、「いや、私にはやめる必要なんだ」っていうのは、けっこう勇気や精神力が必要なんです。

そういうときでも、やりたいことがあるからやめるんだと、その先のやりたいことを含めて考えれば、とても前向きになります。

「会社をやめたい」というのであれば、その先の「やりたい」ことを含めて話してください。

会社をやめた後のことは、まだ決まっていないとしても、ひとまずそれは話さなくていいです。

「こうできたらいいな」ということはあると思うので、「やめた後に◯◯をしようと思っている」というところまで含めて、自分にもいい聞かせる。

「◯◯をやるために、やめなきゃいけない」と開き直りやすくもなるし、周りに「なんでやめちゃうの」といわれても、「やめた後に◯◯をしたいと思っている」といえます。

そういう自分のやりたいことを加えておけば、自分も周りも納得させやすく、物事を進めやすいということです。

きょうのひとことは、
「前向きにやめよう」
でした。

参考になったかしら?