③書面添付制度を使ってくれる

 この制度は相続税に相当の自信がないと使うことができません。これは「税理士が税務署の代わりに、納税者のことを調査しました」という書面を作成し、それを申告書に添付して申告する制度で、税理士だけが行うことを認められています。

 通常の税務調査では、調査官が直接納税者の家に訪問して調査が行われますが、書面添付制度を利用した場合には、先に税理士だけが税務署に呼ばれます。そして、その場で調査官の疑問をすべて解消できた場合には、その後の税務調査は省略されます。

 ただ、実際に書面添付制度を使って相続税の申告をしている税理士は、全体の約2割しかいないそうです。素晴らしい制度なのに使わない税理士が多いのはなぜでしょうか。

 それは、書面添付制度を利用し、もし、その書面に虚偽の記載があった場合には、その税理士が懲戒処分の対象になるからです。納税者にとっては良い制度ですが、申告書を作成する税理士の立場からするとリスキーな制度なのです。

 しかし、過去の預金通帳の流れをしっかりと確認している税理士にとっては、自信を持って書面添付制度を利用することができます。

 なお、②の過去の預金精査と③の書面添付制度は2つで1つです。預金精査をしていないのに書面添付制度だけ使うというのは、それを受け取った税務署からすると「こんな薄っぺらな情報で調査したつもりか!」と逆ににらまれる可能性が上がるかもしれません。

④不動産の現地調査をしてくれる

 相続税に強い税理士であれば、「不動産の現地を一度見せてほしい」と言うはずです。現地を確認すると、見落としていた減額要素や増額要素が見つかることもあります。