新型コロナウイルスの感染拡大によって、働き方や人間関係などに大きな変化があった人もいるのではないだろうか。これからどう生きていくのが自分にとって幸せなのか、立ち止まって考えたくなった人にぜひ読んでほしいのが、『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著 藤田麗子訳)だ。
読者からは、「1ページ目から涙が出た」「すべての文章が刺さった」「大切な人にプレゼントしたい」との感想が多数寄せられている。
星読み係、ヒーラーとして活躍中のyujiさんも「この本は見失っていた自分にちゃんと向き合わせてくれる」と語る。今回はyujiさんに本書のおすすめポイントを聞いた。
「want」「like」が抜け落ちている
――本書のテーマの1つに「好きなことを見つける」というものがあります。最近は「好きなことがわからない」「やりたいことがわからない」という人も多いですよね。
yuji:「私は何をやればいいでしょうか?」というのは、クライアントの方からすごく聞かれる質問です。
僕が「あなたは何が好きですか?」と聞いているのに、「何をしたらいいでしょう?」と、僕に「正解」を求めるんです。
これはつまり、自分自身のwant、likeが抜け落ちたまま社会生活を送っている人が多いんではないかと思うんです。
これまでたくさんの方と個人セッションをしてきましたが、感覚的に99.2%ぐらいの人が、本来その人が生きるべき「魂のレール」から外れて生きているんじゃないかという気がしています。
――「魂のレール」から外れている、というのは、その人自身が「本来の自分」とはかけ離れたことをしているということでしょうか?
yuji:はい。そして、実はそれってとても厄介なことなんです。
たとえば、子どもは生まれてから、つまり自分で物事を判断できないほど小さいころから親や家族のもとで育ちますが、愛情を受ける一方で、親に自分の生命をいわば預けているような状況にあるわけです。
生きていく環境にも制約がありますよね。親が会社を経営していたらそこを継がなくてはいけない、とか、親が病院の院長なら医者にならなくてはいけない、とか。
あるいは親がはっきり言ってなかったとしても、勝手に親の期待を汲み取ってしまう場合もあるでしょう。
つまり、そのようなさまざまな要因のせいで、本当はパブロ・ピカソみたいなアーティストになれる才能があるのに、なぜか外科医をやっている、ということがあったりするわけです。
そして、ほとんどの人は「本来の自分の望まないことをしている」ということに気づかないのです。
でも心のどこかで「医者をやっていて、お金には困らないのだけど、なぜか満たされないな」と思っています。
そういう人に僕から助言をするチャンスがあった場合は、いきなり35歳で医者をやめてアーティスト一本で生きていく、というのは難しくても、まずは週に1回くらい、休みの日を利用して絵を描くところから始めたらいい、とアドバイスすることになると思います。
――この本にも「何歳になっても好きなことをみつけられる」ということが書いてあります。
yuji:人間界の常識で、「そんな年で絵を描き始めても、今さら美術大学になんて入れっこない」とか、「医者をやめるなんてもったいない」だとか、そういう決めつけがあると思います。でも、そんな人間界のバイアスに引っかかるのではなくて、少し後ろに引いてみないと、「真実」は見えてきません。