買うなら、J社

急上昇後の下げをどう見る?

 チャートを見た私の投資判断は、H社「様子見(何もしない)」、I社「売り」、J社「買い」です。

 H社は、4月に株価が上がったといってもほんのわずかで、売買高が増えていません。特に注目すべき買い材料はなく、今後も株価は大きくは動かないと思われます。

 I社は、何らかの好材料が出て一部の投資家が飛びつき買いしたものの、すぐ売りに押されて元の株価まで押し戻されてしまいました。売買高も一度増加したものの、すぐに減少してしまいました。ということは、4月に出た買い材料はニセ情報だったのかもしれません。1100円でI社株を買った投機筋は、飛びつき買いしたことを後悔しており、ここから損切りの売りを出してくる可能性があります。

 J社は、4月に入ってから株価が急上昇した後、利益確定売りで少しだけ株価が下がったところです。売買高は減っていません。上昇の勢いは維持されており、引き続き、出たばかりの好材料を評価した買いが続くと想定されます。

「半値押し」を下回らなければ、上昇の勢い維持

 一般的に、株価が急上昇した直後の下げが、上昇幅の半値より小さい間は、上昇の勢いが続いていると見なすことができます。

 1000円から1100円まで上昇したJ社株価の半値押し(上げ幅の半分値下がりすること)は1050円です。株価が1050円を下回らない限り、上昇の勢いは続いていると見なせます。

(本稿は、『株トレ——世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)