アップルやアマゾンが相次ぎ参入、世界中で「ヘルスデータ」が注目される理由写真はイメージです Photo:PIXTA

アップルやアマゾンをはじめ、世界中の公的機関や企業がヘルスデータに注目し始めています。ヘルスデータには、私たちの健康・医療体験を一新させるポテンシャルが秘められており、大きなビジネスチャンスにもなり得ると考えられているからです。今後、ヘルスデータは私たちの生活をどう変えていくのでしょうか。(リンクアンドコミュニケーションCMO 三木竜介)

若者が「心筋炎」になる?
米国医療ビッグデータが導き出したワクチン副反応

「新型コロナウイルスのワクチン接種後、副反応として、特に若い世代で『心筋炎』や『心膜炎』の副反応が起きている」

 米国で発表されたこのニュースを聞いた人も、多いのではないでしょうか。

 米国では、1990年代からワクチンの安全性を監視するため、国家施策として約1200万人のヘルスデータを利用できるシステムが運用されています。ワクチン接種による有害事象が発生したと思われる場合、すぐにレポーティングされ、より精緻にワクチンとの因果関係を調べられるようになっています。今回の新型コロナウイルスによる副反応も、こうした国家単位で整備したシステムにより迅速に検出され、因果関係が検証されたのです。

アップルやアマゾンも目を付ける
ヘルスケアビジネスが秘めるポテンシャル

 米国において、ヘルスデータの活用が進んでいるのは国家だけではありません。

 例えば、アップルはヘルスデータを蓄積し、管理できるアプリケーションをリリースしており、他の健康系アプリと連携できるようにしています。Apple Watchで心電図や血中酸素濃度も測れるようになり、数年のうちに血糖値もモニタリングできるようになるはずです。

 アマゾンもHealthLakeというヘルスケアやライフサイエンス業界向けのサービスを発表し、企業や保険者、病院からデータを集める仕組みを構築しています。同社は、ヘルスデータを取り扱うインフラ領域のトップシェアを狙おうとしているのではないでしょうか。

 アップルやアマゾンといった、米国を代表する企業がヘルスデータを活用したビジネスに重きを置き始めているのは間違いありません。

 このように、ヘルスデータはビジネス上も高い成長ポテンシャルを持っており、世界をリードする企業もそこに目をつけているように、日本でも今後ますますヘルスデータの利活用に注目が集まるはずです。