金額の差に注意
事前の話し合いで妥当なラインを模索

 お年玉をあげる立場になると、多くの人が最初に「いくらあげるべきか」について悩むようだ。

 まず、子どもがいる同士で、お互いの子どもにあげる金額についてである。こちらがあげるだけならいくらにするかは胸算用一つだが、こちらにも子どもがいて、向こうの親からもらう場合、金額の大小は極めてセンシティブな問題となる。

 最もストレートに不信感が生じるのは、あげた額よりもらった額が少なかった場合であろう。

 人間は自分の損に敏感な生き物であり、金額の大小は非常にわかりやすい形で損を実感させてくれる。あげたのが5000円でもらったのが3000円だとしたら、差額2000円の損である。しかし、実際は2000円という額には見合わないほどの大きなモヤモヤや憎しみが生まれることとなろう。そして、その負の感情は禍根となってのちに残っていくのである。

 お年玉の金額を子どもの年齢に応じて変えていくのも一般的なようだ。たとえば「向こうの13歳には5000円あげてこちらの7歳は3000円もらう」といったケースは一般的な相場に照らし合わせればバランスが取れている――と見せかけて、これも一筋縄ではいかない。

 双方の親で納得のもと同意がなされていれば何も問題ないが、無言のまま授受が行われたお年玉に差額があると、それだけで雲行きは怪しい。「一般的な相場から判断して妥当」と己に言い聞かせてみても、やっぱり「でも2000円損したような…」と思えてきてしまうものなのである。

 差額から生じるあつれきを回避するのに有効だと考えられるのは、やはり事前の打ち合わせであろう。「お互い5000円ね」で均等にしておくのでもいいし、「お互いに、『小学生のうちは3000円、中学生になったら5000円』にしようと思っているけどいいよね?」と金額差の理由を明確にしておけば、どちらかにモヤモヤが生じる可能性は大幅に回避できるはずである。