「あなたはこういうタイプだよね」と一方的に決めつける残念な思考ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「こういうタイプだ」と決めつける人

 あなたは、「人に迷惑をかけたくない」と思っていますか?

 まあ、職場の人とか近所に迷惑をかけたくないのはわかります。

 でも、「家族や友人に迷惑をかけたくない」というのは、ちょっと理解ができないんですよね。

 だって、どうしたって迷惑をかける存在だし、それを許容してくれるからこそ、家族になったり友達になったりしているわけです。それなのに迷惑をかけたくないって、本末転倒ですよね。

 なぜ、そういうことが起きるのでしょうか。それは、「あなたはこういうタイプだよね」と、相手を決めつける人がいるからです。

決めつけられると、
いざというときに頼れなくなる

 世の中には、社会に迷惑をかけて自殺しようとする人がいます。ニュースにも度々、取り上げられますよね。

 彼らはなぜ、家族や友人に相談したり、弱いところを見せられなかったのでしょうか。

 その原因の1つに、「マジメに頑張りすぎた」という部分があります。

 おそらく、親や友達には、無理をして我慢したり、弱みを見せたりできなかったんでしょう。

 そう言うと、「もっと他人に頼ればいいのに」と他人事のように言う人がいますが、そう簡単でもないんですよね。

 だって、親や友人から「あなたはマジメだし優秀で頭もいいから大丈夫だね」とか「期待しているから絶対に失敗するなよ」とかずっと言われ続けていたとしたら、弱いところなんて見せられません。

 たとえば、上京して仕事をしていたとします。その仕事がつらくて仕事を辞めてしまっても、家族や友人にすぐに言えずに隠し続ける人っていますよね。

 普段から親や友人が「あなたはマジメだから大丈夫だ」とは言わず、決めつけないタイプだったら、おそらく簡単に「仕事辞めたわ~」「いま無職だわ~」って気軽に報告できると思うんです。

 でも、それが言えないのは、かなりつらいことですよね。そういう完璧主義が行き過ぎると、「身近な人には頼れないから、社会に迷惑をかけてやる」という方向に爆発してしまうんです。

「生きている人」は尊敬しない

 僕は、現段階で「生きている人」の中で「心から尊敬する人」っていないんですよ。いくら素晴らしい偉業を達成していたり、偉大な賞を受賞していても、生きている限り、裏で悪いことをしていたり、自分と利害関係が生まれる可能性がゼロではないからです。

 しょせん人間なんだから、ミスしたり、道を踏み外したり、裏ではクソ野郎である確率は、全員、平等にあります。

「まさか、こんなマジメな先生が裏でこんな悪いことをしていたなんて!」ってショックを受けることはないんですよね。だって、みんなそうなる可能性があるから。

 というように、我が子であったり、親であったり、友人であっても、「こいつはマジメでいい奴だ」とは普段から決めつけないほうがいいと思うんですよ。

 大きな失敗をしたり、ちょっと道を踏み外しても、「まあ、大丈夫だよ。人間だし、失敗くらいするよ。そのうちまたなんとかなるよ」と気軽に言い合えるほうが、よっぽど大事だと思うんです。みなさんも身に覚えはないですか? あまり普段から人のことを決めつけないようにしましょう。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、40万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。