テレビ番組「月曜日から夜ふかし」などで人気の、“優待おじさん”こと桐谷さんが昨年の春から米国株投資をスタート。日本株一筋だった桐谷さんが注目する「米国株の強み」とは?
実力主義でのしあがった経営者が増益を続ける!
経営者と言えば、マイクロソフトのビル・ゲイツやアップルの故スティーブ・ジョブスなどが世界的にも有名ですよね。「米国には優秀な経営者がいるんだなあ」と前々から思っていました。
さらにびっくりしたのが、米国は外国出身の経営者が多い点。アルファベット(グーグル)やマイクロソフトの現社長はインド、テスラの社長は南アフリカ出身。ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの創業者も中国出身だそうです。優秀なプロ経営者が世界中から集まってきているんですね。
なんと、米国の新興企業が上場するナスダックでは企業規模を示す時価総額トップ10のうち、なんと約半分が外国人の社長または創業者。彼らは、米国人を押しのけてトップにのし上がっているという、ものすごいバイタリティ! ITのような新たな産業が誕生したこともありますが、米国企業自体が“メジャーリーグ”化しているのです。
日本でも、日産のゴーン元会長がいましたが、日本の会社で外国出身者が経営者になるって珍しいことですよね。昔から米国は実力主義って聞いていましたが本当なんだと感心しました。
人口増に加えて生産性も高い!
みなさんもご存じの通り、国家の経済力を図るGDP(国内総生産)で米国は世界1位。にもかかわらず、米国の経済成長はこれからも長期的に続く見通しです。
その理由の一つは、先進国の中では珍しく人口が増え続ける見込みだから。主に、国外からの移民による人口増で、現在3.2億人の人口が2050年には3.8億人になる見込みです。人口が減少し続ける日本とは対照的ですよね。
人口の増加は消費の拡大にもつながりますし経済成長の土台になります。
そして、1人あたりのGDP成長率が、潜在労働力や人口の伸び率を上回っています。つまり、生産性が高いということですよね。
世界最先端の技術を持つ会社が多い!
この生産性の高さの背景にあるのが「技術革新」。たとえば、米国でインターネットが生まれ、世界は大きく変わりましたよね。さらに、AI(人口知能)やIoT(モトとネットをつなぐ技術)、自動運転など、さまざまな最先端技術が研究・開発されています。
アマゾン・ドット・コムは、世界中の人々の消費行動を激変させましたし、グーグル(アルファベット)やフェイスブックなどが、情報の受取り方やコミュニケーションの方法を激変させたのはご存じの通り。
世界最先端の技術を有する会社が多い点が米国株の強み。大学の質も高く、最先端技術が生まれる土壌があるってことですよね。
こうした米国株の強みを知って、これが今後も米国株の成長を支えていくのだな、と注目しました。
1949年10月15日、広島県竹原市生まれ。365日株主優待と配当で生計を立てる投資家。プロ棋士七段。バブル絶頂期の1984年に株を始め、バブル崩壊やITバブル、リーマンショックなど相場の浮き沈みを経験。資産は4億円目前。近著に『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの株入門』『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの米国株入門』の2冊が好評発売中。