★パターン3(OK)

 一次相続のタイミングで配偶者と長男が家屋と敷地を2分の1ずつ相続し、二次相続のタイミングで長男が家屋と敷地の残り2分の1を相続した場合はどうでしょう。

 長男は家屋と敷地をセットで取得しているため要件を満たしています。共有状態であっても、母の持分2分の1の家屋と敷地をセットで取得しているためOKです。

引渡し時の注意点!

 この特例を使うための要件の1つに、「売主が家屋の取壊しをしてから買主に引き渡すこと」というものがあります。

 間違っても買主が取り壊すような売買契約を締結してはいけません。不動産の譲渡では取壊し費用の負担について調整することがありますが、空き家特例においては、売主が取壊し費用を負担して引渡し前に更地にすることが求められます。

令和元年度税制改正のポイント

 これまでは、相続開始の直前まで、故人が家屋に居住していた場合のみが適用対象でしたが、相続開始の直前に老人ホーム等に入所していた場合も、一定要件を満たせば適用対象となります。
(本原稿は、橘慶太著『ぶっちゃけ相続「手続大全」ーー相続専門YouTuber税理士が「亡くなった後の全手続」をとことん詳しく教えます!』を編集・抜粋したものです)