『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら(初出:2022年2月22日)
[質問]
質問させていただきます。
漫画にしろ小説にしろ、一旦読み始めようとすると物凄い速さで読んでしまって(記憶が正しければ10年くらい前に坊ちゃんを5時間くらい程度)、その後に記憶に残った一節とか、書いてあったことをしっかりとメモリーすることができません。評論とかだと何回か読んで、ということも稀にするんですが、小説だと流れを知っているものをもう一回読もうという気にならず、そこで終了になります。
本をじっくり味わって読むとか速度を下げる方法とかご存じではないでしょうか。
ぜひ朗読の威力を知ってください
[読書猿の回答]
朗読を学ばれるとよいと思います。せっかく小説を読んでいるのに流れを知って終わりという、もったいない読み方から脱却できるはずです。誰かに伝えることを考え出せば、読みは深く豊かになっていくでしょう。
正直に申し上げると、5時間あれば『坊っちゃん』を朗読できます。つまり速度の面でもあなたが失うものはありません。
参考になる本は、東百道『朗読の理論』が理論書ですが、朗読がどんなものか、何故役に立つのかについては、漫画ですが片山ユキヲ『花もて語れ』が分かりやすいと思います。