溜まったストレスを「発散する色」「抑制してしまう色」

 それでは色でストレスを整えるにはどうすればいいのでしょうか。

 2020年から始まったコロナ渦の影響により、私達は閉塞感に満ちた生活を体験するようになりました。今まで当たり前のようにしていたことが、感染拡大防止のために自粛せざるを得ない状況になり、先行き不透明です。

 一時期、学校は休校、飲食店も営業自粛、アミューズメント施設も軒並み休業、旅行なんてもってのほかで「ステイ・ホーム」が合い言葉。とにかく必要最小限の外出しかできませんでした。

 こうした状況下で、多くの人がストレスを感じていたと思います。

 ストレスはときに風船に例えられることがあります。風船を指で押さえる力がストレッサー(ストレスの原因となる刺激)となり、それによって風船が歪んだ状態となります。

 これがストレスです。例えば、「言いたいことがあっても言えない」「腹が立っているけど我慢している」など、内側にエネルギーを溜め込んでいる場合などがまさにそうです。

 ストレスを発散するには押さえ込まれたものを元に戻す、つまり外へ向かって反発する力が必要になります。

 そのエネルギーを与えてくれるのが「赤」です。

 アドレナリンの分泌を促す効果が高い赤色は、交感神経を刺激し、脳の興奮レベルを上げて、血圧を高め、心を奮い立たせ、感情を外へ向かわせるはたらきがあるため、溜め込んでいたストレスや感情を発散させてくれる効果が高いのです。

 最もストレス発散を促すのは鮮やかな赤ですが、濃いピンク、オレンジ色でも近い作用がもたらされます。どちらも赤の色みを含んだ色であるためです。

 黄色も光に最も近い色で気持ちを外へと向かわせるはたらきがあることから、気持ちを明るく楽観的にさせてくれます。