『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

夏休みの読書感想文が「ありえないほど簡単に書ける」とっておきの方法Photo: Adobe Stock

[質問]
 小学生の子を持つものです。子は本を読むことは好きなのですが、夏休みの宿題の読書感想文が書けずにいます。親としてアドバイスをしてあげたいのですが、自分も感想文の書き方を習ったことがなく、自分が子どもだった時も感想文が苦痛だった記憶しかなく、当時どう書いていたか不明で子に良いアドバイスができずにいます。読書感想文の書き方がわかる本やサイトを教えていただけないでしょうか。

読書猿が考えた穴埋め表をご紹介します

[読書猿の回答]
「本を読まなくても読書感想文が書ける」みたいな話は(「これをコピペしろ」みたいなサイトを含めて)ネット上にいくらも転がっています。ここではもう少し心ある人に向けて、「ちゃんと本を読んで、いくらかましな感想文が書ける」方法について書きたいと思います。

 まず考えるべき問いは、「読書感想文を課す者=読書感想文の読み手はどんなものを読みたいと期待しているのか?」です。

 さらに答えやすくするために極端な二択を作ってみましょう。

 次の2種類の読書感想文のうち、より望まれているのはどちらでしょうか?

A.あらすじ+「興味が湧かなかった」
B.あらすじ+「おもしろかった」

 当然Bの方ですね。では、Bと次のCの二択ではどうか?

B.あらすじ+「おもしろかった」
C.あらすじ+「これまでの考えを反省した」

 当然Cの方です。 

 読書感想文において期待されているのは、単なる読後の「感想」ではなく、「この本を読んで人生が変わりました」みたいな「読書体験」なのです。

 無茶な要求ですが、しかし要求を極端にまで突き詰めたので、目標は明確になりました。

 では、具体的な書き方を「イージーバージョン」だけ紹介します。

1 「知識」「思考」「感情」「疑問」「行動」「記憶」「価値観」の項目について、読書前と読書後の欄を埋める

 読書前と読書後の自分を「比較」します。実際には「比較」したかのようにでっちあげるのです。本を読みきってから表をつくるのではなく、あらかじめ表は用意しておいて、それを埋めるために拾い読みをしていきます。

 この表の内容はフィクションであり、実在の自分とは関係ないことはいうまでもありません。

 大げさに変化したことにした方が何にせよ書きやすいので、ない変化をでっちあげ、わずかな変化を誇張します。

2 引用箇所を拾う
 以下の変化項目のそれぞれについて、きっかけ(に使えそうな箇所)を課題図書の本文から拾っておきます。

夏休みの読書感想文が「ありえないほど簡単に書ける」とっておきの方法

 なお、さらに詳しい内容はこちらのブログに書きましたので、よろしければどうぞ。

 こうすれば読書感想文が書ける/今すぐ使える穴埋めシートと構成パターン