問題を自分で見つけ、自分の答えを出す
生産性で戦っていた時代は、余計なことを考えず、ひとつのやり方を突き詰めることで評価されました。
しかし、いまは労働人口も増えていなければ、生産量でも勝てなくなっています。
資源もない日本は、クリエイティブに頼らざるを得なくなりました。
マーケットシェアで戦っていた時代は、複数の企業が同じ分野に集中してシェアを取りに行っているので、過当競争が生み出されてきました。
しかし、差別化要因がまったくないのに、シェアに集中するのは限界があると思います。
そこで問われるのが個性です。
個性は、個人の経験や遺伝、環境によってそれぞれ変わる複雑系です。
「個性」「問題の発見」「それを解く方法」をすべて掛け算にすることができれば、唯一の正解が生まれる確率はほとんどなく、さまざまな方法で答えにたどり着けるはずです。
何より、私は「個性のある答え」があふれる世界のほうが豊かだと思います。
イノベーションは多様性から生まれます。
みんなが同じことをやっても絶対に進化はしません。
それぞれが個々の観点に基づいて問題を発見し、答えを考えたほうが突然変異が生まれる確率ははるかに高くなります。
つまり、イノベーションは別解から生まれるわけです。
それによって社会が良くなると私は信じています。
それで結果が出れば、いっそう仕事が楽しくなるのは明白です。
(本原稿は、平尾丈著『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』から一部抜粋・改変したものです)