2.「過去の自分」を救う気持ち

「インフルエンサー型」ビジネスは、単純に人気者を目指すのではなく、マーケティング思考で、「1.狙うターゲット」「2.提供できる価値」を明確にし、戦略的に展開していかないといけません。

 簡単にいうと、「どんな人(ターゲット)に対し、どんな質のよいアドバイス(価値)を提供できるか」を意識しないといけないのです。

 また、差別化も大事です。「なぜ他の人ではなく、自分のアドバイスを聞いたほうがいいのか」に対する答えもしっかり示す必要があります。

マモル:な! そんな急に「マーケティング思考」とか言われても、ややこしくてわかりません!!

サラタメ:ですよね(笑)。そんなマモルさんも「過去の自分」を救う気持ちで、情報発信すればOKなんです!

 本来、情報発信でビジネスを展開していくなら、「どんなターゲットを設定するか」「そのターゲットがどんな価値を求めているか」などを、マーケティング思考で分析する必要があります。

 でも、そんなめんどくさい&難しい戦略的思考をしなくても、「〈過去の自分の悩み〉を解決してあげよう!」という気持ちで発信すれば、すべて解決します。

サラタメ:これがサラリーマン副業の強みでもあります。私のような普通のサラリーマンが過去に抱えていた悩みは、今なお多くの人の悩みだったりします。ですから、そこには大きなニーズや市場が存在しているんです!

「過去の自分」がターゲットなら、どんな欲望・悩みを持っていたか? 手に取るようにわかるはずなので、綿密な分析もいりません。

3.本人ではなく「影」を見せる気持ちで

「インフルエンサー型」のビジネスで大事なのは、「自分自身が人気者になること」ではなく、「キャラクターを運用している」「専門雑誌をつくっている」という一歩引いた視点です。その視点がないと、遅かれ早かれ、悲惨な結末に陥ることになるでしょう。

サラタメ:ありのままの自分を出すのではなく、自分から生まれる“影”を見せるイメージですね。

「インフルエンサー」を目指して勘違いした人気者の悲惨な末路

マモル:本人じゃなくて、カゲ!? ……? まったく意味がわかりません……(笑)。

サラタメ:要は、元となる自分のシルエットは活かしつつ、商品としてお客さんに見せたい部分だけを見せようということです。自分本人とキャラクターとしての自分がゴチャ混ぜになると、私のような凡人はまず長続きしません。

 インフルエンサーとして多くの人に知ってもらうことは、多くの賛否を浴びることにもなります。

 そこで、「自分本人」と「インフルエンサーとしての自分」を混同すると、批判を受けたらひどく落ち込み、ホメられれば調子に乗りすぎてしまいます。完全に人格を一致させると、感情が揺り動かされすぎてしまうため危険なのです。

 批判されたのもホメられたのも、自分本人ではなく、「自分から生まれた影」だととらえると気持ちがラクになります。インフルエンサーとしての自分は切り分け、冷静かつ客観的に運営していくよう心がけましょう。

 一方、まるでタレントのように、自分の人生や日常を、まるごとコンテンツ化していく人もいます。「裏表がなく、常にスイッチオンの状態」という方はそれでもいいでしょう。ただ、芸能界で活躍するタレントでもそんな方は少数派。普通のサラリーマンとして生きてきたなら、キャラクターと実際の人格を切り分けて運営する方針が合っていると思います。

サラタメ:人間は誰しも、感情の起伏があります。ですから、そのときどきの気分で運営していると、ターゲットも提供価値もブレブレになります。私自身、自分の意見をもとにしながらも、「サラタメさんというキャラクターなら、どんな表現をするか」という一歩引いた視点を忘れないよう努めています。

(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)

〈まとめ〉
・「インフルエンサー型」ビジネスは、「人気者」を目指すわけではない
・「有益情報」だけでなく、「世界観」も発信できるようにする
・「過去の自分」を救う気持ちで、ターゲットに発信する
・本人ではなく「影」ととらえ、一歩引いた視点で運用する