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中学受験塾、大学受験予備校、個別指導塾、通信教材、ICT教材など、塾・予備校業界にはあらゆるプレーヤーが存在する。そんな中、資本提携や買収で業界再編が進み、特に最近はICT教材やAI学習などの存在感も強まっている。そこで、特集『わが子にピッタリ!塾・予備校&家庭教師・オンライン教材選び』(全22回)#11では、合従連衡が続く業界全貌図と共に、各社の目下の注力事業も併せて掲載する。(ダイヤモンド編集部 塙 花梨)
学歴重視の時代は終わった!
多様化する塾・予備校業界の今
長い間、塾・予備校の世界では御三家と呼ばれる超エリート校や県立トップ校などの合格実績の多いプレーヤーが台頭してきた。しかし、今や上位校への合格数という“学歴”だけでは食べていけない時代となった。「昔のように子どもを東大に入れたいと考える親が少なくなった」と大学通信常務取締役の安田賢治氏は語る。
そればかりか、手に職がつけられる専門学校や、英語を身に付けるインターナショナルスクールなど、進路の選択肢も急激に多様化してきている。「業界最大手の塾や人気の予備校に行かせなくてはならない」という時代は終わり、“自分の子どもにとって”一番いい進路を考える家庭が増えている。つまり、塾に行く目的自体が変化しているのだ。
少子化や多様化という時代の流れに沿って、今の塾・予備校業界の構造は変わりつつある。そこで、本記事では塾&予備校業界のプレーヤーが一望できる勢力図を作成し、買収や提携の動きとともに解説していく。また、各勢力がAIなどを使ったデジタル教育に関してどの程度乗り出しているのかについても、併せて公開する。
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